人工RNA分子により動的な遺伝子発現制御を実現する「非組換えRNA技術」体系の構築

遠藤 慧
(京都大学iPS細胞研究所 初期化機構研究部門 特定研究員) ※現職 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻 生命分子遺伝学分野 助教

個人ウェブサイト: https://goo.gl/MJhsCQ

2014年11月10日月曜日

論文紹介記事が掲載されました

Nature Methods 誌今月号の News and Views に論文紹介記事が掲載されました。

“Expanding the synthetic ribonucleoprotein world in cells”
Kei Endo, Callum Parr & Hirohide Saito
Nature Methods 11(11): 1105–1106 (2014)

Pubmed の登録情報によると10月30日公開のようですので、だいぶ報告が遅れてしまいました。

今回は、自分の研究結果を報告した論文を紹介してもらったのではなくて、他の研究者の論文を紹介する記事になります。紹介した論文は、同じ号に掲載されている以下の Full Article です。

“A general design strategy for protein-responsive riboswitches in mammalian cells”
Simon Ausländer, Pascal Stücheli, Charlotte Rehm, David Ausländer, Jörg S Hartig & Martin Fussenegger
Nature Methods 11(11): 1154–1160 (2014)

責任著者の Fussenegger 教授はスイスの ETH Zurich にいる合成生物学分野の世界的な大家の一人で、毎年毎年何報もトップジャーナルに論文を報告しています。あやかりたいというか、見習わないといけないです。


今回、このような論文の紹介記事を書くのは初めてだったので、なかなか貴重な経験をすることができました。

が、研究者としては、むしろ他の研究者に紹介してもらえるような論文を自分が書かないといけないですよね。

2014年11月7日金曜日

上京物語

長らくご無沙汰になってしまいました。
なにかとバタバタしているうちに3ヶ月。一年の4分の1がすぎてしまい、今年も残すところわずかです。

突然の報告になってしまいましたが、このたび東京大学で助教のポストを得ることができ、先月末に京都を離れて、今月から東京に引っ越してきました。いや、実際には東京ではなくて、千葉県柏市にある東大の柏キャンパスというところです。言ってみれば、東京ディズニーランドと同じような感じですかね。

高校を卒業してから大学、大学院と10年間ほど東京に住んでいました。先月末の引っ越しのとき、新幹線から有楽町駅の東側に有楽町マルイと東京交通会館、さらにその奥にプランタン銀座が見えたとき、

   おぉぉぉ、東京に帰ってきたんだなぁ…

と、なんだかちょっぴり感動的な気持ちになりました。
京都で働いていた頃も、年に1、2度は東京に出張することがあったのですが、そういったときは特に何の感慨もわかなかったのに不思議なものです。


東京大学で博士号を取得してから、京都で研究員として働く機会をいただけました。都合4年半京都で働いていたことになります。この間に一度所属が変わったのですが、上司だった齊藤博英先生の独立に伴った異動でした。というわけで、2ポスドクとまでは言い切れず、だいたい1.5ポスドクの経験といったところでしょうか。京都での研究生活では、大学院時代に経験できなかった多くの大切なことを学べたと思います。

後半に所属していた京都大学 iPS細胞研究所は、とても新しくて今も勢いよく発展している研究所です。ノーベル賞を受賞された山中伸弥教授が所長を務めていらっしゃるので、ご存知の方も多いかもしれません。

この研究所では、研究室の間に間仕切りがなく、大広間に実験机とデスクが並んでいます(オープンラボと呼んでいます)。隣の席は隣の研究室の学生だったり、同じような立場のポスドクだったりしました。最初の頃はこのようなオープンラボにも違和感があったのですが、わりとすぐに慣れてしまい、むしろ幅広いバックグラウンドをもった多くの人たちと日常的に交流できることが非常に魅力的でした。この研究所での3年間は、とてもかけがえのない経験で、今後の研究者人生にとって大きな財産になったと思います。

京都でお世話になった皆様、本当にありがとうございました。


さてさて、新しい所属は、
 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 メディカルゲノム専攻
といって、とても名称が長くて、こちらもなんだか現代的な響きの部局です。

とはいえ、大学院の頃にお世話になった准教授の先生が独立された研究室なので、いわば古巣のような研究室でもあります。今回、新しい研究室に移り、また大学教員という新しい立場になったこともあって、今後より一層研究に励もうと気持ちを引き締めているところです。

まだまだ若輩者ですが、今後ともどうぞよろしくお願いします。


今回、京都から東京へ移動したことを「上京(じょうきょう)」物語にしちゃいましたが、正しかったでしょうか。本来はむしろ「下向」物語にするべきなのかな、と思ってみたり。

2014年7月24日木曜日

セミナー参加の様子をウェブ上で紹介してくれていたようです。

はやいもので「やさしい科学技術セミナー」からもう2週間近く経ちましたが、続報です。

参加してくれた中学校のみなさんが、参加の様子をウェブ上で紹介してくれていたようです。以下に紹介させてもらいます。
立命館宇治中学校のみなさん
・同志社中学校のみなさん(PDFファイル

みなさんどうもありがとうございました。楽しんでいただけたようで、なによりです。是非、家や学校でもチャレンジしてみてください。

そういえば実験で使ったコーヒーメーカーの底に、塩?バナナ?カビ?が、たくさんこびりついてました。終わった後にちゃんと洗ってなかったんでしょうね。実験でも後片付けは大事です。


携帯で写真取ったらピンぼけでした。わかるかな?
実はこれまで一度もデジカメを買ったことがなかったりするので、そろそろ本気で手に入れることを考えないと。
(「考えないと。」あたりに買う気のなさを感じます。と自己分析)

2014年7月15日火曜日

セミナー資料へのリンク

今更なんですが『やさしい科学技術セミナー』でした。
ずっと『やさしい科学セミナー』だと勘違いしてました。
お恥ずかしいかぎりです。

さて、昨日に引き続き、先週末のセミナー資料へのリンクを
忘れないうちに追記しておきます。

今回参加してくれた方々の復習に、あるいは同様のセミナーの参考に、
はたまた、このような興味のある方々の独学に、参考にしてください。

1. HD セントラルドグマ -synra editon- 日本語ナレーション版
理化学研究所 オミックス基盤研究領域 作製
* youtube へのリンクです

科学技術館で公開されている動画のようです。
クオリティ高いです。研究者が見てもなかなか楽しめるんじゃないでしょうか。私にとってはいろんな意味で面白かったです。
今回は中学 1 年生に多く参加していただいていたようなのですが、
ちょっと難しすぎたかもしれません。


2. Power of Ten
Webサイトにも youtube にもオリジナルの動画があります。
少し古いのですが、一般的にも著名なショートフィルムです。
素粒子から宇宙までの大きさを体験できます。

ただし、Webサイトも動画のナレーションも英語です。


3. 今月の分子
日本蛋白質構造データバンク(PDBj: Protein Data Bank Japan)

こちらは動画ではなく Web サイトです。
内容は PDB の同名記事の日本語訳みたいです。
2000年から毎月1つ、タンパク質の立体構造が解説されています。


4. 3D Animation Library(Web サイト)
DNA Learning Center, Cold Spring Harbor Laboratory

今回は、
・The Central Dogma of Biology
・Mechanism of Replication (Basic)
・How DNA is Packaged (Basic)
の 3 本の動画を紹介しました。

こちらも英語ナレーションです。
“Basic” にはもうちょっと解説の詳しい “Advanced” もあります。
理研の動画に比べて実際の分子の形を反映しているのですが、
初見では形や動きがちょっと気持ち悪く感じるかもしれません。


このような内容の動画や記事を無料で手軽に閲覧できるというのは、すごいことですね。とはいえ、もしかしたら私が子供のころも図書館などには同様の資料があったりしたのかもしれません。そう考えると今も昔も、どこにどんな情報があるのか、どこでどんな情報を手に入れられるのか、を知っていることが大事なのでしょう。

ちなみに今日はアメリカの共同研究先と TV 会議でした。
距離 11,000 km、時差 14 時間。こちらもなかなかすごいことです。
まあ、時差については人間が時間を調整して対応します。

と時代の流れに思いを馳せました。
(もちろん、そんなことを言えるほどの年齢ではないのですけど)

2014年7月14日月曜日

やさしい科学セミナー

なんだかんだいって、第一回のブログからかなりの時間があいてしまいました。さっそく更新が滞ってしまっていますね。

さて先週の土曜日、やさしい科学セミナーを開催しました。


たくさんの中学生に参加いただいてありがとうございました。
再生研の飯田先生をはじめ、お手伝いいただいたみなさんのおかげで
なかなかの盛況だったのではないかと思います。
飯田先生のブログによると京都新聞にも紹介されたみたいです。
参加してくれた皆さんに楽しい思い出が残るとうれしい限りです。
私としても、とても刺激を受けた貴重な経験になりました。

さて、今回のセミナーの後半はバナナから DNA を抽出する実験をやってもらいました。家や学校など、身の回りにあるものだけで簡単に実施できます。今回参加してくれたみなさんが自分たちでも実験できるように、簡単に実験方法を紹介します。


【用意するもの】
・バナナ
 1本 120g から 180g くらいだと思います。
 1本を 8 人でわけてもらいました。
・約10% 食塩水
 だいたいで OK です。
 今回は 330 mL のミネラルウォーターのペットボトルに
 食卓用の食塩をだいたい大さじ 2 杯ほどいれました。
 食塩は大さじ 1 杯 16 g 程度らしいです。
・ファスナー付のビニール袋
 ファスナーは付いてなくても問題無しです。
 あまり大きすぎない方がいいかもしれません。
 今回は 7 cm x 10 cm の袋を使いました。
・コーヒードリッパーとペーパーフィルター
 ドリッパーなしでもペーパーフィルターだけで工夫もできます。
・洗剤
 今回は食器用の洗剤を使いました。
・アルコール
 薬局で消毒用アルコール (アルコール80%程度)が購入できますし、
 スピリタス(95%程度)というお酒も酒屋においてあります。
 使う際には火気に注意してください。
・プラスチックのコップ
 丈夫なものを使った方がよいかもしれません。



今回は、ちょっと実験っぽい雰囲気を出すために
・プラスチック製サンプル瓶(5 mL)
・スポイト(3 mL)
を使いましたが、コップで混ぜても問題ないです。

【手順】
(1) バナナをファスナー付のビニール袋にいれて、手でよくつぶす
 今回はバナナ 1 本を 8 分割して 1 つの袋に入れました。
 なるべく空気を抜いてからファスナーを閉じるとよいでしょう。

(2) バナナと同じぐらいの量の 10% 食塩水と混ぜる。
 今回は 8 人分を 1 つのビニール袋に集めて、バナナ 1 本分に対して
 150 mL 程度の食塩水を混ぜました。

(3) なじませた後 5 分くらいおく

(4) コーヒードリッパーにペーパーフィルターをセットする。

(5) ペーパーフィルターでバナナ食塩水をろかする。

(6) ろ液と食器用洗剤を 4:1 くらいでやさしく混ぜる。
 今回は洗剤を大さじ 1 杯とってプラスチックコップに加え、
 ろ液を大さじ 4 杯とってやさしく混ぜました。

(7) バナナ食塩水+洗剤にアルコールを 1:1〜2 で加える。
 今回は、バナナ食塩水 + 洗剤を 2 mL スポイトで取って
 そのあとでアルコール 3 mL をスポイトでやさしく注ぎました。
 プラスチックコップに直接アルコールを注いでも大丈夫です。
 ここで激しく混ぜてしまってはダメです。
 バナナ食塩水とアルコールの境目がはっきり見えるくらいが
 たぶんきれいに観察できるのではないかと思います。

(8) 観察
 バナナ食塩水とアルコールの境目あたりに、白いもやもやが
 見えるはずです。これが DNA です。
 あんまり白いもやもやが見えないようだったら、
 テーブルの上で水平にそっと回してみるといいかもしれません。
 このときもバナナ食塩水とアルコールの境目を崩さないように。

【参考書籍】
今回の実験やセミナーの内容については、以下の本が参考になります。
・芦田嘉之著
 『やさしいバイオテクノロジー カラー版』
 サイエンスアイ新書 (2011)
・日本生物工学会編
 『ひらく、ひらく「バイオの世界」14歳からの生物工学入門』
 化学同人 (2012)





2014年4月30日水曜日

人生初ブログ

はじめまして。

だいぶ昔に SNS をやってたりしたことがないわけではないのですが、
基本的に3日坊主というか、あんまりマメではない性格のせいか
、、、、ほとんど続きませんでした。

せっかくこのような機会をいただいたので、
今回こそは、と新年度にあたって意気込みを新たにします。
新年度の抱負にはやや遅い感もありますが。

若者のはずなのに、未だにガラケーを使い続けているせいでしょうか。
ブログ投稿の画面をぱっと見た感じでは、なんだか機能が豊富そうで、
果たして自分に使いこなせるのか一抹の不安は否めません。

しかしこれもひとつのチャンスですし、これまでの反省を活かしつつ
「研究にまつわる話題や日々の活動などを」なるべく色々と発信して
みたいと思います。今は時間もないので、ひとまず書き込みのテスト
がてら、所信表明というか決意まで。

贈呈式やジャパンプライズの授賞式とその後の晩餐会、とこれまでの
人生では味わったことのない素晴らしい経験の連続はまたのちほど。


P.S. 世の中にブログをしている人はたくさんいるのでしょうけど、
 その最初の投稿をみんなどのようなカタチで始めているのでしょう。
 様々なブログの初投稿をまとめてみると、いくつかのパターンが抽出
 できるのでは?
 などととりとめのないことを思ったり。