なんだかんだいって、第一回のブログからかなりの時間があいてしまいました。さっそく更新が滞ってしまっていますね。
さて先週の土曜日、やさしい科学セミナーを開催しました。
たくさんの中学生に参加いただいてありがとうございました。
再生研の飯田先生をはじめ、お手伝いいただいたみなさんのおかげで
なかなかの盛況だったのではないかと思います。
飯田先生のブログによると京都新聞にも紹介されたみたいです。
参加してくれた皆さんに楽しい思い出が残るとうれしい限りです。
私としても、とても刺激を受けた貴重な経験になりました。
さて、今回のセミナーの後半はバナナから DNA を抽出する実験をやってもらいました。家や学校など、身の回りにあるものだけで簡単に実施できます。今回参加してくれたみなさんが自分たちでも実験できるように、簡単に実験方法を紹介します。
【用意するもの】
・バナナ
1本 120g から 180g くらいだと思います。
1本を 8 人でわけてもらいました。
・約10% 食塩水
だいたいで OK です。
今回は 330 mL のミネラルウォーターのペットボトルに
食卓用の食塩をだいたい大さじ 2 杯ほどいれました。
食塩は大さじ 1 杯 16 g 程度らしいです。
・ファスナー付のビニール袋
ファスナーは付いてなくても問題無しです。
あまり大きすぎない方がいいかもしれません。
今回は 7 cm x 10 cm の袋を使いました。
・コーヒードリッパーとペーパーフィルター
ドリッパーなしでもペーパーフィルターだけで工夫もできます。
・洗剤
今回は食器用の洗剤を使いました。
・アルコール
薬局で消毒用アルコール (アルコール80%程度)が購入できますし、
スピリタス(95%程度)というお酒も酒屋においてあります。
使う際には火気に注意してください。
・プラスチックのコップ
丈夫なものを使った方がよいかもしれません。
今回は、ちょっと実験っぽい雰囲気を出すために
・プラスチック製サンプル瓶(5 mL)
・スポイト(3 mL)
を使いましたが、コップで混ぜても問題ないです。
【手順】
(1) バナナをファスナー付のビニール袋にいれて、手でよくつぶす
今回はバナナ 1 本を 8 分割して 1 つの袋に入れました。
なるべく空気を抜いてからファスナーを閉じるとよいでしょう。
(2) バナナと同じぐらいの量の 10% 食塩水と混ぜる。
今回は 8 人分を 1 つのビニール袋に集めて、バナナ 1 本分に対して
150 mL 程度の食塩水を混ぜました。
(3) なじませた後 5 分くらいおく
(4) コーヒードリッパーにペーパーフィルターをセットする。
(5) ペーパーフィルターでバナナ食塩水をろかする。
(6) ろ液と食器用洗剤を 4:1 くらいでやさしく混ぜる。
今回は洗剤を大さじ 1 杯とってプラスチックコップに加え、
ろ液を大さじ 4 杯とってやさしく混ぜました。
(7) バナナ食塩水+洗剤にアルコールを 1:1〜2 で加える。
今回は、バナナ食塩水 + 洗剤を 2 mL スポイトで取って
そのあとでアルコール 3 mL をスポイトでやさしく注ぎました。
プラスチックコップに直接アルコールを注いでも大丈夫です。
ここで激しく混ぜてしまってはダメです。
バナナ食塩水とアルコールの境目がはっきり見えるくらいが
たぶんきれいに観察できるのではないかと思います。
(8) 観察
バナナ食塩水とアルコールの境目あたりに、白いもやもやが
見えるはずです。これが DNA です。
あんまり白いもやもやが見えないようだったら、
テーブルの上で水平にそっと回してみるといいかもしれません。
このときもバナナ食塩水とアルコールの境目を崩さないように。
【参考書籍】
今回の実験やセミナーの内容については、以下の本が参考になります。
・芦田嘉之著
『やさしいバイオテクノロジー カラー版』
サイエンスアイ新書 (2011)
・日本生物工学会編
『ひらく、ひらく「バイオの世界」14歳からの生物工学入門』
化学同人 (2012)
遠藤先生
返信削除財団の中村です。先日は、iPS研究所での「やさしい科学技術セミナー」、お疲れ様でした。暑い中、本当にたくさんの中学生たちが集まってくれました。前半の講義は、私にも少~し(とっても??)手ごわかったですが、後半の実験は子供たちと一緒になって楽しみました。
洗剤の界面にバナナのDNAが白く浮き上がってきた時は、年甲斐もなく興奮しました。子供たちもみな、いい顔をしてましたよ!ありがとうございました。
これからは一段と暑くなりますが、ご健康に留意され、研究テーマに邁進されますよう!!
(京都新聞の記事も良かったですよ!)
中村 様、
削除こちらこそ貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。子どもたちの(大人の方々も)楽しんでいる様子を間近に見ると、自分自身の科学や研究に対する気持ちも大いに刺激されました!!今度は研究成果でも皆さんに興奮を届けたいものです。