人工RNA分子により動的な遺伝子発現制御を実現する「非組換えRNA技術」体系の構築

遠藤 慧
(京都大学iPS細胞研究所 初期化機構研究部門 特定研究員) ※現職 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻 生命分子遺伝学分野 助教

2016年2月24日水曜日

論文公開 & 柏サイエンスキャンプ




本日、主に前職の京都大学 iPS 細胞研究所 (CiRA) で取り組んでいた研究成果を報告した論文が公開されました。

“High-resolution Identification and Separation of Living Cell Types by Multiple microRNA-responsive Synthetic mRNAs.”
Endo, K., Hayashi, K. & Saito, H.
Scientific Reports 6, 21991; doi: 10.1038/srep21991 (2016).
[論文へのリンク]

研究の内容としては、試験管内で合成したmRNAを細胞に導入することによって、細胞内の微妙な状態の違い(具体的にはマイクロRNAの活性の違い)をきれいに識別できる、というものです。例のごとく CiRA のプレスリリースで分かりやすく解説していただいていますので、研究の概要はそちらをご参照していただくとよいでしょう。細胞の内部の情報(状態の違い)を利用して、でも細胞を殺さずに、なるべく細かく細胞を分類したり精製したりできないか、という考えのもと、CiRA に参加した当初から取り組んできました。これまでにもいくつか研究成果を報告してきましたが、自分のなかでは、この一連の研究のなかで今回の論文の内容が一番重要なポイントだと思っているので、こうして公開されてうれしいかぎりです。これらの成果が今後の医療や基礎研究の進展に少しでも貢献できることを願っています。

一方、今月の最初には、教養学部生が柏キャンパスで研究を体験する柏サイエンスキャンプが開催されました。我々の研究室にも3人の学生が参加してくれました。年末から1月末にかけて上記の投稿論文のリバイズが入ってしまったので、今回のプログラムの準備がかなり慌ただしくなってしまったのですが、サイエンスキャンプの開催期間には無事かぶらず幸いでした。にもかかわらず、開催期間中に(その少し前から)今度は私が体調を崩してしまって、それはそれで危なかったです。今回の参加学生は3人とも学部の1年生で、私から見ると実に15年も後輩にあたるのでしたが、大学院生レベル(のつもり)のプログラムにとても熱心に取り組んでくれました。3泊4日の短い間でしたが、今回の体験が彼らの今後の進路選択に少しでも貢献できればうれしく思います。

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